研究室で大きな企画をやることの難しさ(近未来書籍カフェを終えて その1)

 前回宣言したとおり、書いていきます。


 僕が所属している研究室は、筑波大学図書館情報メディア研究科の宇陀・松村研究室です(宇陀研と松村研の共同研究室)。総勢17名います。今回の「近未来書籍カフェ」は宇陀・松村研にとってはじめての学園祭企画でした。はじめに断っておきますが、僕は責任者を務めたとはいえ、リーダーシップを発揮してぐいぐいみんなを引っ張ったわけではありません。どちらかというと縁の下の力持ちでした。以下に書くことは「はじめからこう考えていた」というわけではなく、「企画を進める中でいろいろな人に気づかせてもらった」ことです。

研究室特有の難しさ

 研究室というのは非常に特殊な組織です。会社と違って全員が毎日1ヶ所に集まるわけではありません。研究室によく来る人もいれば、全然来ない人もいます。また、各メンバーが来る時間もばらばらです。朝型の人もいれば夜型の人もいます。唯一ゼミの時のみ、全員が一堂に会するのですが、基本的に宇陀研と松村研は別々にゼミをやっているので、ほんとに全員が集まるのは月一回の合同ゼミのみとなります。


 ただ、これはある程度仕方のないことです。研究室の各メンバーは研究だけをやっているわけではありません。授業もあるしバイトもあります。研究に対するモチベーションも研究室に対する貢献意識も人それぞれです。会社のように金銭的な報酬はありません。学園祭の実行委員や何かの学生団体のように「これをやりたい!」という強い熱意を持った人が自ら志願して集まっているわけでもありません。ある程度研究室内で盛り上がったからこそ立ち上がった「近未来書籍カフェ」ですが、中にはあまり乗り気でない人もいたと思います。しかし、だからこそ、それに合った情報共有のやり方、モチベーションの引き出し方が必要ではないでしょうか。

情報共有のやり方

 今回、主にメーリングリストを使いました。が、これは正直失敗でした。学園祭関係で大量のメールを送ったのですが、受ける方からすると次々に情報が流れてしまい頭に残りませんし、よくわからないことがあってもすぐに聞くことができません(厳密に言うとメールで訊けばいいのですが、そこまでしない人も多い)。それに、めんどくさくて中身を見なかった人もいるのではないかと想像してます。


 では、どうすればよかったか。未だに答えは出てませんが、研究室内に大きくて目立つ掲示板があればよかったのかなあというのは1つあります。そうすれば少なくとも研究室に来た人との情報共有は可能です(見てもらうための工夫は必要ですが)。あとはもう少しみんなで集まる機会をつくればよかったです(17人の日程を合わせるのが大変ですが)。特に本番直前はそういう機会をつくるべきでした。

モチベーションの引き出し方

 前述のように金銭的インセンティブはありませんし、研究室に対する貢献意識も人それぞれなので、なるべく各メンバーが「やりたいと思えること」「やって楽しいこと」をできるような環境づくりが重要でした。そのために、メンバーを3つのチームに分けました。イベントチーム、展示チーム、子どもチームです*1。やることが全く異なる3つのチームを用意し、どこに入りたいかを選んでもらえば、各メンバーが「やりたいと思えること」「やって楽しいこと」をできるだろうという考えです。加えて、チームの仕事にいまいち馴染んでない人には、その人に向いてるであろう別の仕事をまかせました。


 このチーム分けは成功したと思ってます。最優秀賞を受賞したあとの飲み会で先生が仰っていました。今回の勝因は全員が自分のできることを主体的にやったことにあると。

*1:カフェなのにイベントとか子ども向け企画までやって統一感がないと感じる方もいるでしょう。それには「近未来書籍カフェ」をいろいろなことができるプラットフォームにしたいという理由もありました。詳しくは別の記事に書きます。